村上春樹氏の『街とその不確かな壁』を読了しました!
なぜ「!」がつくかといえば、お読みになった方はおわかりでしょうが、読むのに大変苦労をした作品だからである。
とくに前半は『世界のおわりとハードボイルドワンダーランド』の壁のはなしのほうを抽出して、まあいっちゃえば、ねちねちとこねくり回してあるのだ。ズバリいえば元カノを忘れられず(運命の恋だったからとしても)人生こじらせている男子の姿である。それで別に誰にも迷惑をかけていなさそう(途中でお付き合いした彼女以外)だし、いいんですけどね。
そして『世界の~』については村上氏本人もふれているので、読者はわかったうえで読んでいるわけで、不満をいだくのは筋違いではあるけれど、だがしかしである。
全1200枚らしいので、前半といえば600枚、やや多めな一般的な長編1冊分である。それをえんえんとグチグチ読まされたのであるから、そこをクリアしたら、互いに健闘をほめたたえてもいいはずなのだ! 同志よ! がんばった!
そこを乗り越えたら、読んだことのない部分。
すっごく楽しく読み進められたんですよ。
主人公の行動がいちいち「村上氏」って感じだし、とある人にであって、とある交流をする、そのやりかたがまたね、「またおまえは『こんなことを言うのは厚かましいかもしれないけど』ってなんだ~」って世間がいうなあ、って。
スパゲティ茹でたり、マリネ作ったり、ブルーベリーマフィン食べたり、おいしそうなシーンも健在。
ネタバレにならない程度に語るのはこれくらい。
以上です。
まだ読んでおられる最中のかた、マリネが出てくるのでがんばってください!!
本作を総じていうのは無理なのだが、未読のかたにお伝えできるとしたら、タイトルどおり本作は『壁』の話であって、その壁というのはわたくしたちの中にもどうやらありそうだということ。読めばきっと「おれも壁の内側へいきたくなる」かもしれない(しならないかもしれない。もしくは)
健闘を祈ります。
(画像クリックで拙作HPへ)
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