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20210806 ワンタンと稲荷弁当.JPG

お弁当と時々物語

カフェ・ド・ヨルツキ


 このミス大賞受賞作家、新川帆立氏の『剣持麗子のワンナイト推理』を読了しました!

 受賞作のシリーズ続編である。

 上記ブクロブで記載したとおり、主人公・剣持麗子は本作でも元気いっぱい。

 そしてタイトルどおり、夜中にクライアントによびに呼び出されたり、事件に巻き込まれたりとさんざんな目に遭う。にもかかわらずである。読者には「こいつならうまく処理するんだろうな」と圧倒的な信頼を持たせるすごいキャラである。剣持麗子がメソメソ泣く姿など想像できない!

 スカッとするミステリ作品がお好きな方は、お気に召すこと請け合いです。

 ちなみに、受賞作と本作の間には麗子の職場の女子が主人公の『倒産続きの彼女』がある。そちらでも麗子は登場するので、時系列的には、そのあとの作品となる。

 前作2本を読んでいなくても楽しめる作品になっている。ご安心を。


 ところで、人の作品を紹介している間に、エブリスタさんで掌編を公開しております。

 よかったら、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

 画像クリックでエブリスタサイト(もちろん無料)へジャンプします!


 ***

 恋なんて、誰かほかの人がするものだって思っていた。

 だけど唐突にやってきて、ただ戸惑うだけで

 わたしは──逃げた!


 恋愛ビギナー高2女子・標津百々と

 彼女を追いかける男子・寿都の短編。

 お時間ありましたら、ご覧いただけたら嬉しいです~✨


 よろしくお願いします✨




 

 朝井まかて氏の『グッドバイ』を拝読しました~。

 本作、「なぜ入手するのを忘れていたのか」と愕然とした2年前に刊行された文庫本。

 ……当時、自分になにがあったんだろう。

 朝井氏ですから時代小説です。

 幕末が舞台。文庫の帯に「逃げたらよかったとよ。逃げて生き延びて、海を渡ったら良かった」という作中のお慶の言葉がある。

 本当にこれは胸に迫るセリフでした。

 主人公・お慶は長崎の人。作中セリフは長崎弁(だと思う)である。最初こそ戸惑ったものの、最後には「方言っていいなあ」としみじみするほど。

 そして膨大な情報量をこの分量に収める技量に、ただただ感服。それでも大切な人がいなくなっていく切なさ苦しさがしっかりと読み手に伝わり、作品に厚みを感じるのだ。すごい。

 なーんか毎日パッとしないなあ、という方にオススメです。きっと「もうちょいやってみるか」と顔をあげたくなりますよ~。


(SNSに本作の画像を引っ張ってこられないので拙作の画像をつけておきます。画像クリックでエブリスタのサイトへジャンプします)


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