蝉谷めぐ実氏の『化け物心中』を拝読。
ブクロブで書いた通り、江戸での歌舞伎役者たちの物語である。
演目の心中、そして鬼の事件、これらが絡んで謎解きがはじまる。
歌舞伎の世界の物語なので、登場人物のほとんどは男。女子は歌舞伎ファンと花魁くらいなのだ。
それなのに限りなく色っぽい。女形がたくさんでてくるからである。生物学上の男としてうまれたかれらが女を演じる。それゆえに、より色っぽいのかもしれない。
冒頭からめっちゃくちゃつっぱしった文章である。
「なんじゃこりゃ~」と諦めてしまわれる方もおられるのでは。わたくしも、かなーり戸惑った。それゆえに濃厚な世界観。
ひとたび、その語り口に慣れてくると強烈な世界観がたまらなくなる。
解説で森見氏が「ぴちぴちした文章」といっていた、とあるが、わかる。わかるぞ~。
しかもである。
本作、デビュー作。新人賞受賞作品。……これくらい突き抜けていないと、新人賞は受賞できぬのかもしれませんね。
そしてその後、本作でほかの文学賞を受賞するという快挙。
この先、とても楽しみです。
(本作の画像をURLでひっぱってこられないので拙作つけときます☆ 画像クリックでHPへジャンプします)