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米澤穂信氏の『栞と嘘の季節』を読んだ~

  • 執筆者の写真: さく 天川
    さく 天川
  • 9月5日
  • 読了時間: 1分

 米澤穂信氏の青春ミステリ長編、図書委員男子二人組シリーズの第2弾『栞と嘘の季節』を拝読しました。

 この『~の季節』なんてかわいらしいタイトルがついているけれど、そんな生易しいものではない。高校生同士の馬鹿し合いとは、いいかたがよくないけれど、嘘にあふれた高校生活の物語でもある。

 こんなふうに「こいつの発言に嘘はないか。あったとしたらどこだ。どうしてこいつは嘘をつかなければいけなかった」といちいち考えて学校生活を送っていたら、どんなに心がすりきれるだろう、とどんよりするのはある。

 高校生徒たちが、「そういう」行為をする事情は明記されていないものの、不穏な匂いが充満する息苦しさすら覚える作品である。

 それを軽減させるためなのか、主人公とその相棒男子との軽快な掛け合いも、なんだか切なく思うほど。

 ラストまで手を緩めない筆さばきが圧巻の一冊。

(SNSへ本の表紙がのっかってこないので、拙作のイラストをつけておきますね! 画像クリックでHPへジャンプします)

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