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20210806 ワンタンと稲荷弁当.JPG

お弁当と時々物語

カフェ・ド・ヨルツキ


 朝井まかて氏の『類』を読了しました。

 森鴎外の子息、類氏の生涯の物語である。

 あらすじは上記、ブクロブで紹介したとおりである。


 本作、わたくしのポイントは二点である。


 ひとつは、すごいぞ、最初から最後まで主人公の類氏に対してまったく好きになれなかったということ。

 こんなやつがそばにいたら、蹴とばしてさっさとご縁を切りたいほどである。

 イライラしちゃう。

 それにもかかわらず、読み進んじゃう。それが朝井氏のおそろしさである。こういうのを筆力というのだなあ、と感服。ゆえに、主人公たちキャラクターに感情移入する系ではなく、舞台背景である明治から平成の時代描写が読みたくてページをたぐる作品なのだ。

 たとえるなら深緑野分氏の『ベルリンは燃えているか』系とでもいうか。

 ストーリーよりも背景描写に圧倒される、そういう作品である。


 二点目はその物理的ボリューム。文庫のフォントはなかなか大きくて、文庫の厚みも結構あった。ということは重量もあるということ。京極氏ほどではないけれど、通勤時に拝読するのに持ち歩くにはあまり適しておらぬ。

 しかも前述のとおり「お前がちゃんとはたらけばいいだろうがよお」と胸で類に悪態をついていると、イライラしちゃってページをめくるのが遅くなって読了するのも遅くなりという悪循環。

 読了して、この重量から解放された。すばらしい。さよなら、肩こり。うえるかむ、ハレバレ人生なのだ。

 ストーリーよりその背景をたっぷり楽しむのが何よりも好きだ、という方にオススメである。

 (画像クリックで拙作のHPへジャンプ☆彡)


 お久しぶりでございます。

 拙作『ホシ持ち羽奈の恋わずらい』(長編・青春ラブ×現代ファンタジー)をエブリスタさんで連載を完了して、はや3か月!!

 ……正直、完結してからのほうが、数倍読んでいただいております。

 ありがとうございます。

 極端な話、最終章の最終センテンスだけでもご覧いただけたら、嬉しいです。


 さて、本作、以前にもこちらで書いたように思いますが、原稿着手からエブリスタさんで公開するまで2年ほどかかりました。

 原稿本体も、エブリスタさん公開版は第3稿となっております。まあ、いろいろな事情がござりました。

 そんなこんなはさておき、わたくし、原稿はBGM必須派。なくても書けるけど、あるとモチベが爆あがりする。

 そういう自分の性癖があるので、箱書きを作っている間くらいから、作品に適した楽曲を集めてYouTubeでプレイリストを作製。大体12品くらい。

 すべて再生すると一時間くらいになる。

 それくらいは集中してやろうぜ、と自戒もこめているのだ。


 『ホシ持ち羽奈~』は高校生モノ+ヒューマン葛藤でして、RADWINPSさんに米津さん多めのところに、セカオワさん、ミセスさん少々というプレイリストになりました。

 このリスト中楽曲を聞くと、いやおうなしに羽奈を思い出す。気持ち引き締まりますね!

 

 青春モノを書くときにはミセスさんや髭ダンさんに大変お世話になっている。

 ぜひ、今後とも、素敵な楽曲を作り続けいただきたい。楽しみにしております。

 音楽って、世界を救うって思うんですよ。本当に。ありがたいなあ。


(画像クリックでエブリスタさんの羽奈のサイトへジャンプ)


 

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